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  • 次の世代をリードする岡山女子バドミントン界の星!倉敷中央高校 中原選手・吉川選手

2020.10.27

 放課後、帰宅する学生たちのにぎわいの中、体育館できびきびとポールやネット、部旗を準備する学生たち。
 今回インタビューに訪れたのは、選抜、インターハイなど全国大会の常連校であり、大学や実業団で活躍する選手を数多く輩出する、尾﨑監督率いる倉敷中央高校バドミントン部です。

 今年、新型コロナウイルス感染症予防の為中止となった岡山県高校総体の代替え大会での活躍は、シングルス、ダブルスともにベスト8をほぼ独占するものでした。
 その中でもシングルス、ダブルス優勝の2冠を獲った中原鈴選手(2年)(以下、敬称略 中原)とシングルス準優勝、ダブルス優勝の吉川天乃選手(1年)(以下、敬称略 吉川)にインタビューさせていただきました。

 
 
Q1 バドミントンを始めた時期とお二人は小学生の頃から県大会や、全国大会での優勝経験がありますが、強くなったきっかけがあれば教えてください。 
 
 中原:私は家族がやっていて、姉と一緒に小学1年生から始めました。2、3年生の時は辞めていましたが、4年生から本格的に再開しました。再開したばかりの大会は2回戦負けでしたが、とにかく練習が楽しくて、一生懸命やっているうち、4年生の終わりには県大会で優勝しました。
 
 吉川:私は母がバドミントンクラブのコーチだったため、いつの間にか始めていました。正式にクラブに入ったのは5歳からです。強くなったきっかけは小学3年生の全国小学生大会(全小)1回戦で負けた時。その後から翌年の全小の大会まで毎朝6時に起きて、学校に行く前に毎日走っていました。年々距離も増えて、(フィジカルが)鍛えられました。(吉川選手は小学4年生から全小3連覇)
 
 
Q2 倉敷中央高校のバドミントン部に進路を決めた理由は?
 
 中原:今は卒業していますが、この学校のバド部に姉がいて。その関係で練習に来るようになって、先生が熱血というか熱心に教えてくれるし、すごく練習が楽しかったのでここに決めました。
 
 吉川:私はダブルスをやってみたかった。やったことがなくて、進路を考えている時に県外の人に聞いても、倉敷中央高校のダブルスがすごいとよく聞いていて。中学生の時に練習にきて楽しかったから、雰囲気もいいし、ダブルスやりたいし、いいかなと思ってここに決めました。
 
― ダブルスが面白いんですか?
 
中原:シングルスは孤独なんです。コートの中で自分だけで考えてやらないといけない。
ダブルスは二人で考えてできるからすごく楽しい。
 
 吉川:シングルスだけやっている人からしたら、めっちゃ楽しい。
 
 
Q3チームについて教えてください。練習時間や練習の雰囲気はいかがですか?
 
 練習は、週6日で月曜日がオフ(自主練習)です。平日は朝練が1時間と午後練習は3時間練習しています。休日は午前・午後に3時間ずつの6時間です。内容はハードだけれど、レスト(昼休憩)も長いし、シエスタ(昼寝)の時間もあり、午後からまた集中して練習に取り組んでいます。
チームは、みんな仲が良くて、居心地が良いです。自分たちでうまくいかないこととか、どうやってやればいいのか、話し合ってやっています。学年関係なく、気軽に話せるから、のびのびできます。先生も熱心で、わかりやすく指導してくれています。先生はバドミントンを深く探求しているので、シャトルやラケットの扱い方などについても詳しく教えてくれます。

 
Q4バドミントン部での面白い取り組みや、競技以外での取り組みがあればお聞かせください。
 
 競技以外の練習としては、フリスビー、フットサル、1人が円の中でバスケのボールをついて1人がボールをとるようなレクリエーションをたまにしています。目的はチームの仲を深めたり、コミュニケーションとしてだと思います。フリスビーは軌道を読んだりもします。試合の終わりにもやります。
(※当日もバドミントンの練習前にフリスビーをしていました。)
 
 
Q5 練習で工夫したり、力を入れていることはありますか? 
 
 中原:私たちはみんな、全員が全国大会でベスト4に入るのを目標にしていて、それをモチベーションに練習しています。みんな1つ1つの練習に集中していて、個人的に課題を設けたり、目的をきちんと理解して練習に臨みます。
 
 吉川:私個人としては、力をダイレクトにシャトルに伝える打ち方です。シャトルに対してラケットをまっすぐに当てて、どの角度や体勢に入っても、力強い球を打てるようにしたいです。それとレシーブも力を入れて練習しています。相手に決められたくないから、どこに来ても安定して打ち返せるようにしています。
 
 中原:私はシングルスでのスピン、ヘアピンの前に落とすショットです。オーバーヘッドの球をまっすぐ打つだけではなく、切れる球を入れていくようにしています。あと相手をだます球を多く入れていきたい。
 
 
Q6 シングルス、ダブルスそれぞれの時の持ち味(強み)を教えてください。
 
 中原:丁寧にとにかくきちんと返すことと、私はコートの4隅に返すのが得意なのでそれを生かして相手を崩したり、相手よりミスを少なくするようにしています。
 ダブルスでは、吉川選手が後衛で相手を揺さぶってくれるから、後衛で攻めてくれるように自分が相手を沈めて、シャトルを上げさせて攻撃の形を保てるようにしています。
 
 吉川:私は丁寧には入れれないけど、体力があるので、多少球が甘くなってもいいから、仕掛けていきます。相手の逆をつけるような球をよく使います。ラリーが長すぎたら攻めるけど、普通より長いぐらいだったらチャンスまで我慢できます。
 ダブルスでは、中原選手が前衛がうまいから自由に攻めていけます。
 

Q7 競技生活の中で気を付けていることや、気分転換の方法はありますか?
 
 中原:体脂肪20%を切るのがみんなの目標です。アスリート体型が20パーセント以下なので、バドミントン部では、ベストの動きができるように、昔からコンディション管理をしています。
 
 吉川:お菓子とかジュースとか食べたり飲んだりしないし、我慢もしているわけではありません。体重管理もあって、増量、減量組もあります。先生が1人ずつベストの体重になるように指導してくれています。県内ではあまり聞きませんが、白百合(熊本:八代白百合学園高校)とか柳井(山口:柳井商工高校)など全国強豪校では同じようにコンディションの管理をやっていると聞いています。
 
 吉川:気分転換は、料理を作るか、手芸をしたりしています。
 
 中原:私の気分転換は遊びです。その日はバドミントンを忘れて、買い物とか、遊びます。  
 

Q8 将来の目標や夢をお聞かせください。
 
 中原:まだはっきりとは決まってないけど、2つあります。1つ目は看護師。
 もう1つはバドミントンで結果を残せたら、実業団や筑波大学など日本のトップリーグでバドミントンをしたいと思っています。
 
 吉川:私は1つは小児科の医者。もう1つはバドミントンで結果を残せたら、バドやりたいなと思っています。その時はバド辞めた後は医者ではなく、スポーツ医療を学びたいと思ってます。
 
 
Q9 最後に、一番うれしい応援の掛け声は?
 
 「試合中は声援が聞こえないくらいコートに集中している。
でも、次の試合も盛り上げてほしい!」
 

 
 まっすぐでハツラツ、凛とした印象の中原選手とシャイな印象だけどしっかりとした自分の軸を持っている吉川選手。
日々の練習のこと、気分転換の方法、将来の夢なども具体的で、自分の世界を持つ二人。
競技だけではなく、勉強もクラスでは上位の成績とのこと。
 今後も強くぶれない気持ちで、目標を実行していくのだと思います。
近い将来、二人がトップリーグで力を発揮する日が必ず来る、と楽しみにしています。
 
 
終わりに…
監督の尾﨑先生からも二人に一言いただきました
 
 尾﨑先生:二人とも、バドミントンに対する真剣さと遊び心のバランスがとれているので、一緒に練習してる時間が幸せな時間ですね。
 後は、新型コロナウイルスの状況でどうなるかはわかりませんが、選抜・インターハイなど全国の舞台で、お互いが決勝で対戦できるようになったら嬉しいですね。 
 僕からは、それだけですね。
 

 普段からダブルスでペア同士がお互いを信頼し、更なる高みを目指しているからこそシングルスでも最高峰を狙えるのだと思います。

 倉敷中央高校の皆さん、貴重な練習時間中にインタビューにご協力くださり、本当にありがとうございました。
高校生らしくワイワイ、フリスビーで盛り上がっていたと思いきや、

バドミントンのラリーが始まるとすぐに、スッと集中して練習する姿が心に残りました。
 
今後の更なるご活躍を願っています!!

~倉敷中央高校 女子バドミントン部~
岡山県を代表するバドミントン強豪校 
2003年尾崎監督就任後、着々と力をつけ、2006年インターハイ初出場後は団体での
春の選抜、夏のインターハイにコンスタントに出場している。
 
・主な最高成績
・全国高等学校選抜大会 団体 2016年 ベスト8
・全国高等学校総合体育大会(インターハイ) 団体 2012年 3位
 
中原 鈴 選手
正確なストロークと戦術が光る選手であり、少年女子の国体メンバーに欠かせない存在。
・令和2年度岡山県高校総体代替大会シングルス1位、ダブルス1位
・高等学校バドミントン秋季倉敷地区大会 ダブルス1位
 
吉川 天乃 選手
中学3年時に国体・少年女子の選手として出場。豊富な競技経験とフィジカルが武器。
・令和2年度岡山県高校総体代替大会シングルス2位、ダブルス1位
・高等学校バドミントン秋季倉敷地区大会 ダブルス1位
・U19ジュニアナショナルメンバー