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  • ― 東京2025デフリンピック銀メダリスト ― サッカー女子日本代表・石岡洸菜選手インタビュー

2026.2.26

令和7年11月の12日間にわたり開催された「東京2025デフリンピック」。世界79カ国から約3,000人のアスリートが参加し、21競技が行われました。女子サッカー日本代表は大会史上初となる銀メダルを獲得し、そのメンバーとして倉敷市出身の石岡洸菜(いしおかひろな)選手と小森彩耶(こもりあや)選手が活躍しました。

この功績が評価され、石岡選手・小森選手は令和7年倉敷市スポーツ栄誉章を受章しました。
今回は、石岡選手にデフリンピックを終えての思い、デフサッカーの魅力、そして今後の目標についてお話を伺いました。


【1】大会を終えて

……11月のデフリンピックで準優勝、おめでとうございます。大会全体を振り返って、どのように感じていますか。

ありがとうございます。今回の大会は、さまざまな場面で意見が食い違い、正直とても苦しい時間が多かったと感じています。初戦のアメリカ戦では、昨年と同じような結果になってしまい、申し訳なさと悔しさで涙が出ました。思うようにプレーできず、イギリス戦、オーストラリア戦でも、「もっと守備ができたはず」「もっとビルドアップを意識できたはず」といった反省が多く残りました。

決勝のアメリカ戦には、自分らしく楽しむ気持ちと勝つ気持ちを持って臨みましたが、自分のミスが失点につながり、勝利をつかむことはできませんでした。アメリカに2度敗れた悔しさは大きいですが、史上初のメダルを獲得できたことは本当に誇りであり、嬉しく思っています。

決勝で勝ちきれなかった悔しさを次につなげていきたいという強い思いと、選手が何一つ不自由なく戦えるよう朝早くから夜遅くまで支えてくださったスタッフの皆さんへの深い感謝と誇りを、今強く感じています。


……メダルを受け取った瞬間、どんな思いが込み上げましたか。

メダルを受け取った瞬間は、アメリカに2度も負けた悔しさ、史上初のメダルを獲得できた嬉しさ、この両方の気持ちを強く感じました。


【2】サッカーとの出会い

……サッカーを始めたきっかけを教えてください。

テレビで見たのがきっかけなのと幼稚園年中の頃に旭丘SC代表の大長さんが「サッカーをしないか」と声を掛けてくださったことです。


【3】デフサッカーについて

……デフサッカーでは、どのようにチーム内で連携を取っているのでしょうか。

アイコンタクトや手話、ジェスチャーで伝達したりしています。


……デフサッカーならではの魅力を教えてください。

静寂の中で戦う独特な緊張感。音のない中、目と動きだけを頼りに仲間とつながる。声に頼れないからこそ、視線が合った瞬間の通じ合う感覚は本当に特別です。

ゴールの瞬間も歓声は聞こえなくても、スタンドの揺れや空気の変化、仲間の表情で「感じる」ことができる。全身で喜びを爆発させるあの一体感は格別です。失点後も言葉じゃなく、目線や頷き、手話で立て直す。静かだけど、感情はすごく熱く面白い競技です。


【4】選手としての現在地

……ご自身のプレーの強みと、今後目指す選手像を教えてください。

私の強みは、粘り強い守備と1対1の強さです。最後まで諦めずに食らいつき、ボールを奪った後は自分で持ち運び、攻撃の起点となることもできます。何より負けず嫌いな性格で、常に勝ちにこだわってプレーをしています。

今後は「ひろながいるから勝てた」と言ってもらえる選手を目指していきたいです。そのためにも日々の練習や自主トレを継続し、自分の強さをさらに伸ばしていきたいと思います。チームに欠かさない存在になれるように努力し続けます。


【5】未来へ

……最後に、今後の目標をお聞かせください。

デフサッカーとデフフットサルで世界一になることが目標です。
そして、普段所属しているチームでもリーグ優勝を果たせるように全力で取り組んでいきます。日々の積み重ねを大切にし、常に成長を目指して努力し続けます。

 

石岡選手がサッカーを始めた頃に所属していた旭丘SCのコーチは、当時の彼女について「積極的で前向き、男の子の中に入っても負けず嫌いを発揮してプレーしていた」と振り返ります。グラウンドに来るとすぐに友だちに声をかけてボールを蹴り始め、学年が上がると低学年の子どもたちに優しく接し、周囲にはいつも笑顔の後輩たちが集まっていたそうです。その姿勢はOGとなった今も変わらず、後輩たちに慕われ続けています。

「遊んでもらった後輩たちもひろなに負けないように頑張っています。夢に向かってチャレンジして下さい。旭丘サッカークラブ全員で応援しています。」

かつての指導者から送られたこのエールは、石岡選手の歩みをこれからも力強く後押ししていくことでしょう。
今後のご活躍を応援しています!

 

【プロフィール】
・石岡 洸菜 (イシオカ ヒロナ)
・2004年4月5日生まれ
・2025-2026シーズン所属 → GTレディース

幼少のころからサッカーをはじめ、デフサッカー、デフフットサル日本代表として活躍中
・東京2025デフリンピック 準優勝
・令和7年倉敷市スポーツ栄誉章 受章
・岡山県特別顕賞 受賞

デフリンピック
デフリンピックとは|東京2025デフリンピック | TOKYO 2025 DEAFLYMPICS (deaflympics2025-games.jp)

日本障がい者サッカー連盟(JIFF)
JIFF | 【準優勝(男子・女子)】東京2025デフリンピック(サッカー)