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~世界に向けて扉を開く~ 倉敷商業高校女子ウエイトリフティング部 瀬尾選手・大島選手 前編

 多くの力持ちたちが重いものを持ち挙げていた古代オリンピックの時代から、近代まで実施されてきたウエイトリフティング。この競技はパワーだけではなく、様々な要素から一瞬に導き出されるパフォーマンスや駆け引きなど、多彩な見どころのあるエキサイティングなスポーツとして近年人気が高く、また、倉敷市では国内のみならず世界でも活躍するハイレベルな選手を生み出しています。
 今回は全国高校総体の代替えとして実施された「令和2年度全国高等学校ウエイトリフティング競技通信記録会」で全国1位に輝いた、女子59㎏級・瀬尾佳菜子選手と64㎏級・大島萌仁花選手(ともに倉敷商業高校・3年)に競技への思いとその魅力を語っていただきました。
 前後編でお届けします。
 
 
Q1 高校重量挙げ通信記録会、ランク頂点(全国1位)に立った感想と要因は?
 
瀬尾:頂点に立ったのは初めてなので、特別うれしかった。コロナの関係で全国大会が中止になり、なかなか目標が立てられず、練習も全然できなかったのですが、指導の先生方や部員皆の支えで乗り越えられることができたと思っています。
 
大島:私も頂点に立つのは初めてでした。私はこの試合までに、得意のスナッチ(※)のフォームを変えたおかげで、元の記録より5㎏伸びました。それでも今回は自分の最高記録ではなかったので正直不安でしたが、ランキングを見て本当に1位になれたことに感動しました。コロナ禍の中で記録を残せたことと運を味方にできて良かったと思います。
 
[※スナッチとは...バーベルを一気に頭上まで持ち挙げる種目]

Q2 競技をはじめたきっかけと、実際にやってみてどうですか? 
 
瀬尾:私は小学校から器械体操を習っていたのですが、高校から他のスポーツをしようと思っていたところ、体操の先生にウエイト(中学1年から習っていた)を本格的に勧めてもらって。中学生の頃は遊び半分でやっていたのですが、思った以上にはまり、今になります。元々いろんなスポーツを観ることが好きだったので、ウエイトリフティングは知っていました。まさか自分がやるとは思っていなかったんですけど、一生に一度できるかどうかの珍しいスポーツなので、やってみようかなと思いました。
 やってみて、オリンピック選手とかなら自分の体重の倍以上の重さを女子でも挙げるので、八木かなえ選手(リオデジャネイロオリンピック重量挙げ 女子53㎏級6位)みたいに可愛らしい人がそういう重たいものを挙げているのが、すごくかっこいいし、フォームも綺麗なので、あんなふうになりたいです。
 
大島:私は小学校から中学校卒業まで柔道をやっていました。中学校最後の大会で自分の限界を感じ、高校でも柔道を続けるか迷っていたころ、筋力とバランス感覚に目をつけてもらって、ウエイトリフティングの誘いを受けました。オープンスクールの時に倉商の長谷先生から声をかけてもらった事がきっかけで、今に至ります。
 小さい時に倉敷のオリンピック候補選手が出場している試合を観たことがあったのですが、その頃の私には、その人が挙げるか落とすかの2択しかないのですごくつまらなかった。でもやってみると観ているのと違う魅力がありました。ただ重量を挙げるだけではなく、自分の体の動かし方とか力の入れ具合によって、シャフトの通る道が変わるので、技術的なところであったり、気持ち的にハマるような、深く深く入っていきたくなる魅力があって、私はそういうところがとても好きです。記録を上げることにこだわるのではなく、私はフォームという形が好きなので、”身体の動き”にも惹かれています。
 理想は遠藤梨李選手(東京国際大学・59㎏級)。彼女のフォームがとてもきれいで、体つきも綺麗なので、ああいう選手になりたいなと思っています。
 

Q3 体重管理は大変ではないですか?
 
瀬尾:私はあまり減量がないので、普通の体重でいっています。検量から試合までの2時間が重要で、その間に何をするかで変わってくると思います。消化のいいものを食べるとか、食べ物にも気を付けています。私はバナナとかおにぎりを食べています。
 
大島:私はこの階級では体重が軽いほうなので、あまり体重は気にしていません。試合前は自分のベスト体重があるので、コントロールしています。基本的には好きなものを好きな時に食べ、ルーティーン的には試合前にカツカレーです。カツカレーにエネルギーが詰まっていて、それを食べることによってモチベーションというかテンションが上がり、気合が入ります。
 
 
Q4 高校3年間の競技生活を振り返ってみていかがですか?転機などはありましたか?
 
瀬尾:高校の全国大会に出てから、楽しさとかが増してきて、余計ハマった気がします。高校1年の秋までは、全国ランキングで下から数えた方が早いぐらいだったのですが、高校1年の春の選抜大会(3月)で入賞出来て、そこからまた楽しいなと思いました。秋まではフォームとか関係なく挙げるようにしていたので、これじゃだめだな。と思うようになり、フォームをちょっとずつ変えるようにしました。体重も秋は63㎏級だったのを春は59㎏級に落としました。体重が自分に合っていなかったのもあったと思う。フォームも筋トレも増やして、何を変えないといけないのか自分で考えて変わった。春になるにつれて私は調子が上がってくるので、それも重なって、レベルアップできました。高校1年の選抜大会では遠藤梨李さんとずっと戦っていて、上には上がいるなあと思って、上を目指すのが面白かった。
 
大島:私が本格的に始めたのが中3の冬。高校に入学してすぐの段階で、同じ階級の選手よりも重い重量を触っていました。元々力があり、力だけで挙げることができていて、みんなに甘やかされていた。けれど出場できると思っていた高校1年の選抜大会にギリギリ1㎏の差で出場できず、自分が出られなかった大会に、自分より記録の低い選手が出ていることに、嫉妬というか悔しさを覚えた。そこから今まで自分がやっていなかったことを考え始めて、競技にのめり込んでいきました。


後編につづく
 
 
瀬尾 佳菜子 選手
 倉敷商業高校3年 中学1年からウエイトリフティングを始める。柔軟性が武器。
・第34回全国高等学校ウエイトリフティング競技選抜大会 女子59㎏級 準優勝 (1年時)
・令和2年度全国高等学校ウエイトリフティング競技通信記録会 女子59㎏級 1位
 
大島 萌仁花 選手
 倉敷商業高校3年 高校1年から本格的にウエイトリフティングを始める。パワーが武器。
・令和2年度全国高等学校ウエイトリフティング競技通信記録会 女子64㎏級 1位
 
瀬尾選手(左)・大島選手(右) 指導の先生から贈られた1位への想いがこもったメダルと

瀬尾選手(左)・大島選手(右) 指導の先生から贈られた1位への想いがこもったメダルと